チョコレートという特別な存在
チョコレートという特別な存在
~もともとは、飲みものだった ~

チョコレートは、もともと甘いお菓子ではありませんでした。
遠い昔、マヤやアステカの時代。
カカオは、神聖な飲みものとして大切にされていました。
すりつぶしたカカオに水や香辛料を混ぜた、
苦くて力強い飲みもの。
神への捧げもの。
儀式のためのもの。
特別な人だけが口にできるもの。
チョコレートは、
はじめから“特別な存在”だったのです。
やがてヨーロッパに渡り、
砂糖が加わり、
今の甘いチョコレートへと変わっていきました。
苦味と甘味。
力強さとやさしさ。
その両方を持っているのが、
チョコレートなのだと思います。
私は、チョコレートが大好きです。
お菓子には、
カカオマスやダークチョコレート、
オーガニックのココアパウダーを使っています。
できるだけクーベルチュールを選ぶようにもしています。
カカオバターでつくられたもの。
口に入れたとき、
すっと溶けていくあの感覚が好きだからです。
最近は、カカオの価格が上がり続けています。
気候の変化や収穫量の問題で、
チョコレートはますます貴重な存在になっています。
正直に言うと、
作り続けられるのかな、と
少し不安になることもあります。
でも。
もともとチョコレートは、
特別なものだった。
そう思いながら、
キッチンでゆっくりとチョコレートを溶かしていると、
やっぱり今も特別だと感じます。
湯せんのボウルの中で、
とろりと光る濃い色。
部屋にふわっと広がる、
あの少しビターな香り。
甘いだけではない、
ほんの少しの苦味を抱えた奥行き。
寒い日に、
温かい飲みものと一緒に食べたくなる味。
私にとってチョコレートは、
遠い昔の物語と、
今の暮らしをつなぐ存在です。
価格が上がっても、
簡単には手放せない理由が、
そこにあるのだと思います。
”Chocolate and a Little Bit of Magic”
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